ドイツ西部の街、ケルンから時々出かける旅の
記録。ケルンに来る前に住んでいたベルリンから出かけた旅の思い出も入っています。 このブログは「離れ」です。 「母屋」はこちらです。 「今のベルリンのお天気は?」 コメント、リンク、トラックバック歓迎ですが、特定の販売サイトへの誘導や本文の内容と全く関係ないものは削除させて頂くことがありますのでご了承下さい。 カテゴリ
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「母屋」ブログの方の写真容量がいっぱいになりつつあり、 載せきれない写真が多くなってきましたので旅行記だけ こっちに書こうと思います。 まずはドレスデン。 ベルリンから二時間半ほどの電車の旅。 電車はハンブルクからチェコのプラハまで行く国際列車でした。 午前9時半発の電車に乗って、お昼前にドレスデン到着。 ちょうど東京から京都、という感じでしょうか。 ドレスデンで最初に見つけてしまったのがコレ。 だったんです。これ、すごく珍しいんです。感動しました。 この女の子がいたのがドレスデン中央駅からまっすぐ伸びるプラハ通り。 なにしろ1945年2月13日の大空襲で焼け野原になったドレスデン、 中央駅付近はとても近代的な旧東ドイツふうです。 ドレスデンに着いて、まず見たかったのがラファエルのシスティン・マドンナの あるアルテ・マイスター絵画館。あちこちで見かける、カワイイほおづえついた 天使ちゃんのいるあの絵、です。(コレね↓) 思っていて、何年も何年も前からホンモノが見たかったのです。 しかし、いざ絵画館について、絵を見はじめたら・・・。 あるわ、あるわ。 大判小判、じゃないですが、システィンマドンナ以外に「お宝」がざっくざっく!!! そこで気がついたこと。 「どうやら私はイタリア絵画が好きらしい」。 実はこれまでの人生で美術館で感動のあまり泣いたことが2度あります。 一度はフィレンツェのウフィッツィ美術館。 もう一回はベルリンのゲメールデガラリー(絵画館)。 どちらもイタリア絵画のコレクションが充実していて、美しい初期ルネサンス、 盛期ルネサンスの絵画がたくさんあるところなのです。 そしてドレスデンのアルテ・マイスター絵画館もイタリア絵画が豊富でした。 お目当てのラファエルの他にジョルジオーネとティツィアーノの合作らしい 横たわるヴィーナスもいました! そしてベニスの運河を精緻な筆致でたくさん描いて有名なカナレットの甥が ドレスデンを描いた絵が3枚もあったんです。甥だけあって、筆遣いなどもとても 似ていたし、だいたい、甥も画家でカナレットと呼ばれていたなんて初めて知りました。 (ベニスの運河を描いて有名なおじさんはアントニオ・カナル・1697-1768。 甥はベルナルド・ベロット・1722-1780。ベロットのお母さんが元祖カナレットの 姉妹だそうです。) それ以外に(イタリアではなくてオランダの人ですが)小品が多いと思っていた フェルメールの大きめの作品が見られたり、レンブラントがあったり。 もう、かなりの感動でウルウル状態。 聞けば戦時中、しっかり爆撃されないように保管して守ったそうで。 よかった、よかった。これだけの名画の数々が、あのドレスデン爆撃で 失われていたら、本当に人類の損失です。 絵画館はツヴィンガー宮殿の中にあります。絵画館の窓から宮殿中庭を 見るとこんな感じ。 バロックふうの美しい宮殿ですが、そういうわけで戦後の再建だそうです。 この日は美術館・博物館共通一日券を買ったにも関わらず、 アルテマイスター絵画館にハマってしまい、それ以外は陶磁器コレクションを さらっと見回して、数学物理学サロンをちょっと眺めて終わってしまいました。 数学物理学サロンの二階に、戦禍で失われた16世紀の「クマの仕掛け時計」が 展示してありました。壊れた台座に傾いたクマがなんとか原形を留めて乗っかって いました。そばに在りし日(戦前の?)の写真があるのですが、クマ使いが 立ち上がったクマを踊らせるような仕掛け時計だったらしいのですが、戦後に 見つけ出された状態ではクマ使いの姿はなく、クマも壊れて無惨。 ツヴィンガーは美しく修復されて、戦禍の痕をあまり感じさせないのですが、 その壊れた小さいクマ時計は戦争の恐ろしさを如実に物語っていました。 クマ好きの私にとってはもっとも心の痛んだ展示でした。
by akberlin2
| 2006-03-26 22:03
| Dresden
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