ドイツ西部の街、ケルンから時々出かける旅の
記録。ケルンに来る前に住んでいたベルリンから出かけた旅の思い出も入っています。 このブログは「離れ」です。 「母屋」はこちらです。 「今のベルリンのお天気は?」 コメント、リンク、トラックバック歓迎ですが、特定の販売サイトへの誘導や本文の内容と全く関係ないものは削除させて頂くことがありますのでご了承下さい。 カテゴリ
以前の記事
最新のトラックバック
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
この日はペンションを出て、夜の帰りの電車の時間まで、と中央駅の コインロッカーに荷物を放り込み、そのあと意味もなく、プラハ通りの デパートとかショッピングセンターなんか見てしまいました。 まだ肌寒いのにウィンドーの春色のディスプレイを見たら、何となく つられて入っちゃったんです。懐具合が寂しい上に期待したほど 欲しいものにめぐり逢わなくて、結局何も買わなかったんですが。 一度、春っぽい明るいブルーのシルクとカシミア混紡のカーディガンを 試着して、やっぱり値段的にちょっと・・・とあきらめてお店を出たのですが、 まだ未練があって500メートルくらい先まで行って戻ったりもしました。 でもそのブルーが微妙に私の持っている服と合わない感じだったので、 結局、止めました。そんなことをしていたら、少年合唱団が有名らしい クロイツキルヒェ(十字架教会)を見そこないました・・・。(観光客失格。) この日のオペラ座は14時半開演の「フィガロの結婚」。 開演一時間前に劇場窓口で戻ってきたチケットを売りに出す、と聞いていたので それに向けてノコノコ、中央駅から歩いて行きました。 劇場前にはなんとダフ屋まで! 実は前日の「後宮からの逃走」を同じペンションに泊まっていた夫婦連れが どうしても見たいからとこのダフ屋からチケットを買って入ったそうですが、 35ユーロ(約5,000円)で買った席の正規料金は8ユーロ50セント(1200円)。 見えにくい部分もあったけれど、見られないよりはマシだったわ、と奥さんは 言っていましたが。 私は正規に劇場窓口で聞いて、チケットがあれば買う、なければあきらめて 見そこなっている博物館、あるいはもう一度、アルテ・マイスター絵画館で 絵画を見ようと思っていました。 果たして開演一時間前に劇場の前には数人の列。 いざ、チケット窓口が開いてみたら 「Bankplatz(バンクプラッツ・『ベンチ席』)しかありません。」 とのこと。 「ベンチ席、ってなんですか?」 「一番上の方の立ち見席です。」 「座れないんですか?」 「座るところもありますが、座ったら舞台は見えません。」 す、すごい席だな。3時間以上も立ちっぱなしでオペラ・・・どうしよう、 と思ったのですが、私のすぐ前に並んでいた東欧風な美人が 「大丈夫よ。私、その席で何度も見たことがあるの。それに今日は そこなら4ユーロ(約600円)ですって。絶対お得よ!」 と私に片目をつぶって見せたので、よっしゃ、と私も2ユーロコインを 二枚だしてオペラのチケットを手に入れました。 一階、二階、三階席くらいまでは着飾ったお年を召した方々で一杯。 平日のマチネなので、観客層はほぼ、退職者か観光客に限られます。 さて私の席は・・・階段を上がること、五階分。 いわゆる「天井桟敷」というところでした。 劇場中央につり下げられたシャンデリアが大変よく見えます。 映し出すスクリーンも見えますね。(黒い長方形のもの。) オリジナルでは人が5分おきに「ぱたん」と取り替えていたようです。 左側のローマ数字が「時」、右側の数字は「分」です。 休憩時間を示す日本の劇場の電光掲示板よりもクラシックな雰囲気がステキ。 さて「フィガロの結婚」ですが、実は初めて見ました。チケットと同じ値段の パンフレット(笑)にあらすじが載っていて、それを読みつつ鑑賞。 「序曲」を初め、有名な歌がたくさんあって、クラシック音楽に造詣の浅い私でも 耳になじみのある歌が宝石のように散りばめられていました。 私が勝手に「南平台(なんぺいだい)」と名付けていた歌もこのオペラの中から だったと初めて知りました。いや、本当は「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」というの だそうです。イタリア語には疎いものですから・・・。 「なんぺいだい、はるはろえ、あもろうぞう」ってなんだろうな、ってずっと思って いました・・・。(本当はNon più andrai, farfallone amoroso) 今回の上演ではフィガロを演じたのはカメルーン出身で、ニース音大とパリの コンセルヴァトワールに学んだジャック・グレッグ・ベロボ(Jacques-Greg Belobo)。 深いバリトンが天井桟敷にまで朗々と響き渡り素晴らしい。 監督はバグダッド生まれでイスラエル育ちというダヴィッド・ムフタール=サモライ (David Mouchtar-Samorai)。 スサナとマルチェリーナを演じたのはどちらも地元ドレスデン出身のオペラ歌手でした。 地元の歌手にはカーテンコールでもより一層の惜しみない拍手が。 舞台は1950年くらいのイメージでしょうか、過激さが売りのベルリンのオペラの 舞台から見たら「非常におとなしい」部類。それでも 「なんだかモーツァルトっぽくないわ。コスチュームがねぇ・・・。」 なんて言ってる人もいました。 ドイツ人でもやっぱりコンサバな方が好きな人もいるようですね。 途中から空いていた隅っこのほうの席に腰掛けて見ましたが、上手半分は まったく見えない席でした。姿は見えども音楽は素晴らしい・・・うっとり。 よく見たら切符売り場で私の前にいた東欧美人もちゃっかり座っていて、 私に気付いて、また片目をつぶって見せました。 さて、オペラが終わってそろそろとベルリンに戻る駅に向かって帰り支度。 途中のパン屋さんでドレスデン名物というケーキ、Eierschecke(アイアーシェッケ) を買い、電車の中の不味いコーヒーと共に食べました。 ・・・ケーキはおいしかったんだけどな・・・。
by akberlin2
| 2006-03-28 00:03
| Dresden
|
ファン申請 |
||